ChristmasMarket Memory:クリスマスマーケットの思い出

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「クリスマスマーケットのふしぎなよる」カバーイラスト着彩中
On the process to paint the cover illustration of ‘A Mysterious Night at the Christmas Market’.

12月になりました。明日2日より北青山のMAYA2(ギャラリーハウスMAYA内)にて絵本「クリスマスマーケットのふしぎなよる」原画展がスタートします。

「クリスマスマーケットのふしぎなよる」原画展 詳細はこちら

会場には、原画や本、カードの他、手製のオーナメントやPOPも展示しています。ディスプレイしている木の枝は、宮城の実家の裏山で、父といっしょに切ってきたもの。楽しい思い出がいろいろ詰まった展示になりそうです。

クリスマスマーケットは、日の短くなる厳しい冬を楽しくすごすために、ドイツの各地でひらかれる市場。11月末になると、町の広場に工芸品や日用品をあつかう出店がならびます。

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ザルツブルグのクリスマスマーケット。ドイツより素朴感が強くてとっても素敵です。The market in Salzburg. It’s one of the best Christmas Market I’ve visited.

見に行かれたことのある方もいらっしゃると思いますが、伝統工芸品やくるみ割り人形、きらきら輝くオーナメント、美味しいクッキーやスイーツ……。
見ているだけで、心がうきうきするようなものが並びます。

私が初めてクリスマスマーケットへ行ったのは5歳のとき。 家族でドイツのケルンという町に住んでいた頃のことです。あの時の体験は、忘れることのできないすばらしいものでした。  かわいらしいおもちゃや道具たち。ソーセージ屋やドーナツ屋。でも、一番心をときめかせてくれたのは、あの広場を包む幸せでおだやかな空気でした。雪のふる寒い日でも、マーケットの店の明かりと、そぞろ歩く人々の楽しげな様子を見るだけで、心があたたかくなるように感じたものです。

本当ならば、あんな寒いところに店を出したり、そこで買い物する必要なんてないはず 笑。なのに、皆さんわざわざたくさん着込んで、いそいそとマーケットに集まってくるんですよね。寒さに足踏みしながらも、ホットワインを飲んだり、焼きりんごを食べたり。結構できあがってる人もいたり。皆笑顔、笑顔。そしてまた次から次へと、誰かの笑顔を見に人が集まってくるんですよね。

ここ数年、私もふたたびドイツに住む機会に恵まれました。子どもの頃の記憶をたぐるように、いろんな思い出を渡り歩いた3年半の滞在でした。住んでいたベルリン、近郊のドレスデン始め、ドイツ各地やオーストラリアのクリスマスマーケットへ何度も足を運ぶ中、少しずつこの絵本のお話を育てていきました。

あの空気感の何パーセントが伝わっているかはわかりません。でも、精一杯私の感じた空気を絵本に込めたつもりです。あのおごそかな幸福感のいくばくかを皆さんにお届けできたら、これほど嬉しいことはありません。

ドレスデンのクリスマスマーケット。ドイツのマーケットは店構えが大きくダイナミック。In the German markets, shops are bigger and brighter.

My first experience of German Christmas Market was in Koln, and it was an incredibly wonderful experience for me. I was 5 years-old, and I was living there with my family at that time.   Christmas Markets are held in everywhere in Germany in the Christmas time, as you know.  There had been so many shops and interesting goods – for instance, the traditional artisan’s products made by woods, shiny ornaments, lots of pretty cakes and sweets…    Even in the cold, snowy weather, I remember I had felt very warm and happy just by looking the lights of the shops and people walking around.   Recently I had a chance to live in Germany for 3 and half years. While I had re-visited various Christmas Markets in different cities, I had brought up this story. I am really happy that I can finally deliver the wonderful atmosphere of a Christmas Market to Japanese children.   Johan, a boy who is the protagonist of this story, visits the first Christmas Market and meets someone who are quite extraordinary. I hope you enjoy reading it!