ロックダウン9週目。体調を崩して往診、PCR検査。

左がPCR検査用テント。結構ヒマそう。

ロックダウン9週目。なんと、体調不良でPCR検査を受けておりました。

ざっとまとめると、こんな話……

・胸が苦しく腕痛く、しかも四週間も長引く
・かかりつけの医者に診てもらい、診断書をもらってPCR検査へ
・陰性でしたが「陰性の4割は偽陰性」と言われ、全然スッキリしない日々
・両方の鼻やられるとか聞いてないし、超痛いんですけど
・信頼できる抗体検査でないとわからずじまいです

最初に「あれ?」と思ったのは4月なかば。熱は平熱より少し高いくらいでしたが、胸の痛みと息苦しさがあって、気持ち悪いな…と。

もともと呼吸器系が弱くて心配だったので、ロックダウンが始まってからは主人とふたりきり、外の人にもまったく会わず、スーパーもほぼ宅配…という状況。「これでコロナだったら、世界中コロナやー」と思いつつ、二週間ほど様子を見ていました。疲れが酷く、微熱と時々の胸の苦しみ。平気なときはほぼ健康体。みたいな感じでした。

そのうち、年明けから痛めていた肩の炎症が耐えられない位ひどくなりました。ドイツの作家さんとベートーベンの冊子の仕事をしていたのですが、ちょうど記念年が一年延期になったこともあり、締切をのばしてもらって休養をとることに。筋肉痛や関節痛もコロナの症状のひとつだとかで、少し不安が……。

そして三週目(先週はじめ)。熱が38度近くまで上がり始めて、青くなりました。一緒に暮らしている主人はといえば、私より軽いながらも、やはり似たような症状。そこで、二人揃ってかかりつけ医に連絡しました。

コロナの疑いがあるので、電話での指導だと思っていたら、「今日お宅に伺います」とのこと。びっくりしましたが、来てもらえるならそれほどありがたいことはありません。

その日の夕方、フェイスガード、マスク、不織布のキャップとコートをはおって医師訪問。熱、酸素量、聴診による肺炎の有無のチェック。どれもその時点では問題なし(熱は、数時間おきに上がったり下がったりしていました)でしたが、まずコロナを疑うのが自然、というお話でした。
状況的に、そりゃそうですよね。

先生の話によると、(フランスでの数値ですが)91%のコロナ患者はこのような感じで数週間過ごし、自然治癒するらしいです。あとの10%は、病院での酸素吸入やICU治療が必要になるとのこと。先生の患者さんも101歳から(健康なのに)42歳あたりまで重症化する人がいて、こればかりは「くじみたいなもの」とのこと。

PCR検査は「当てにならないので、受けても受けなくても…」という話でしたが(笑)、一応診断書を書いてもらいました。フランスでは、検査を受けたければ、かかりつけ医の診断書が必要になります。



次の日、指示のあったウエブサイトから、検査を予約しました。希望時間を選び、名前と保険証番号、医者の診断書のコピーを添付して申し込みます。
混んでおらず、次の日の昼の検査が予約できたので、二人並びの時間で予約。

次の日、家から徒歩圏内の検査所へ。ドライブスルーでも受けられるように、広い道路のそばにテントが建っています。

夫婦漫才みたいな2人の検査員が親切に対応してくれました。
太った男性の検査員は不織布スーツのボタンが閉まらず、「テクニカルプロブレム」とマジ顔で言っていました。当時は心の余裕がありませんでしたが、あれは冗談だったのかもしれません。

そのおじさん、ちなみに日本語勉強中とのことで、鼻をグリグリやりながら「だいじょぶ?」と日本語で話しかけてくれました。(話しかけるべきじゃないんですけどね 笑)
あの、鼻グリグリはマジで痛いです。しかも両鼻やられます。
主人の担当は女性で、とても優しかったそうです…。

検査を受けたのが水曜日。
木曜は結果が出ず、金曜朝に主人の結果が先に出ました。陰性でした。
私の結果はすこし遅くて、夕方。こちらも陰性。

やっぱり、ホッとしました。これまでの気苦労を思えば、抗体をもらって…とも思わなくもありませんが、それよりも、今日明日どう転ぶか…の方が重要でしたので。

かかりつけ医にメールすると、あいかわらず「いや〜陰性でも4割はコロナ」と、全然ホッとさせる気はなさそう。

私も胸の痛みや苦しみが続いたので、症状や環境を考えればコロナ(Covid19)かな〜とも思いましたが、実はただの疲労や免疫力低下かもしれません。信頼できる抗体検査を受けるまでは、ハッキリしないと思います。

それにしても、お医者さんがすぐに家に来てくれるってありがたい…としみじみ思いました。この謎の感染症、一番悩ましいのは「次の瞬間何が起こるかわからない」という恐怖心。ずっと苦しいわけじゃないんだけど、急に息が浅くなる時間帯があって、そういう時は不安が増します。
そんな中、何かあればかかりつけ医に手配を頼めるというのは、大きな安心につながりました。

とりあえず、その後は熱が少しずつ下がってきました。ありがたや…。

主人は、週明けにはほぼ完治。私の方は完璧とはいえず、まだ気は抜けませんが、今週に入ってずいぶん回復してきました。
やはり、自分の体に聞くのが一番。ホッと一安心しています。

助けてくれた主人、話を聞いてくれた友人と兄弟には、ただただ感謝感謝。


ロックダウンも9週目。
来週月曜日(5/11)より、とうとうフランスも封鎖解除にふみきります。
最近は、街を散歩する人の数も増えてきました。九週間、やっぱり長かったです。人々の嬉しそうな空気が伝わってきます。

世界中、まだまだ先の見えない状況が続きますが、明るい気持ちを忘れずにがんばりましょう。